ヤーンボミングってご存じですか?
ヤーンボミングとは、いろんな編み地をつなぎ合わせて街を装飾していく編み物アート。
2021年、お出かけや活動に我慢を強いられたコロナ禍。
それぞれがいる場所で、何か「人とつながること」を感じられる企画ができないかな?と考え、この編み物アートを使った「編みテロ!in 島根」という活動を始めました!
編みテロとは?
人とつながるをテーマにした編み物アート活動
編みテロは、「編み物を通して、人(社会)とつながる」ことをテーマにした編み物アート活動(ヤーンボミング)です。
編みテロは、
- 編み物をきっかけに新しい人とつながりを生むこと
- 一緒に作品つくりをすることで、仲間とワクワク感ややりがいを感じること
を目的とした活動です。
編み物は手と編み針と糸があればどこでもできる手芸です。
様々な事情で外出が自由にできない方も、ご自身のいる場所から編んで活動に参加することができます。
なぜ編みテロ?名前の由来
ヤーンボミングの意味は、Yarn=毛糸、Bombing=爆弾。
ただ、ちょっと覚えづらいし、なじみづらい。
だから、Twitter上でよく使われる「飯テロ」をもじって、「編みテロ!in 島根」と命名しました。
開催にいたるまで
企画のきっかけは、コロナ禍による活動自粛
日本中が緊急事態宣言で活動が停止した2020年、私も今まで行っていた活動を自粛せざると得ませんでした。幸い、編み物は家の中でもどこへいてもできる!だから、自粛期間中にすることがなくて暇を持て余すことはありませんでした。
しかし、一人で家で編んでいてもやっぱり楽しくないんですよね。
編み物は大好きですが、やはり「編み物を通して人とつながること」が楽しみだったんだなと気づきました。
そんな時、たまたま視聴した編み物アートドキュメンタリー映画「ヤーンボミング」。
町中をカラフルなニットで編み飾り、見た人を楽しませる編み物エンターテイメントでした。
「もしこれを島根県でやれば、コロナ禍で遠くに行けなくても近場で楽しめる。集まれなくても、編んだものをどこかに集めて、誰かの作品とつながっていくことで、『人との繋がり』を作れるんじゃないかな?」と、思ったのが企画のきっかけです。
編みテロ開催の最大の協力者は「コミュニティナース」
編みテロ開催には、2つのものが必要でした!
一つは、編み物が得意な人たちの協力。二つ目は、編んだ作品を展示させてくれる場所。
そこで、地域貢献活動をしている雲南市在住の友人へ相談したところ「地域おせっかい会議っていう、まさにぴったりな活動をしている人たちがいるよ!」とコミュニティナースカンパニーへと橋渡しをしてくれました!
コミュニティナースとは、病院勤務をする看護師ではなく、自宅を訪問したり、病院に行く前から地域のかたの健康を見守る活動をしている人たちです。
詳しくは、Community Nurse Company ホームページで https://community-nurse.jp/
コミュニティナースの協力で、編み物が得意な方の多い高齢者層へ開催にいたるまで
島根県は、人口も少なく、高齢化率の高い県。
そして、その高齢者の中には、編み物が得意な方がたくさんいらっしゃいます。
その方たちが、一緒に編んでくださったら楽しいことは間違いありません。
編みテロをするには、島根県の手芸好きな高齢者さんの協力は欠かせないと思っていました。
しかし、その方たちへのアプローチが分からない。チラシやポスターで少しは知ってもらうことはできても、連絡手段は?
行き詰ったところで、雲南市に住む友人に相談すると、コミュニティナースさんたちが中心となり運営されている”地域おせっかい会議”を紹介してくれました。
「手先が器用な高齢者の方に協力していただいて、一緒に編み物アートを楽しみたいんです」と相談したところ、「編み物を通して、地域の方を見守ることにつながる!やりましょう!」と協力をしてくださることになり、3月に会議で発案、開催が決定しました。
コミュニティナースさんは、病院にいる看護師さんでなく、日ごろから地域住民の方の健康を見守っている方。
編み物が好きそうな地域の方への声掛けや、編むことはできるけど会場へ来られない方の編み地の回収など、全面協力してくだいました。
会場である”みんなのお家”は、コミュニティーナースさんの活動拠点でもあり地域に開放されている場所でもあります。
制作期間中は、編みテロに参加してくださっている方が、認知症の心配のあるご近所さんを「編み物しにいこう」と誘って連れてきてくださったり、編み物を通してたくさんのつながりが生まれました。
集まったモチーフは1000枚以上!
そして、一か月少しの製作期間を経て集まった編地は、なんと1000枚以上!
目標枚数だった600枚をはるかに越えた編み地が集まりました!
集まった100枚を超える編み地。
つなげる作業は会場に来られるメンバーで、進めていきました。
作業には、ニットカフェメンバー、友人、母、編み物の師匠やその生徒さんも協力してくださいました。
私の把握している範囲で50名以上の方が編んでくれた編み地。
それぞれ色や形に特徴があって、見ているととってもほっこりして気持ちになれます。
ただ、編む人が違うとサイズや柔らかさなどばらつきが出てくる。
近いサイズ同士をつなげてみたり、色が近いものを並べてみたりと、みなさんから預かった編み地は一つずつ大切につないでいきました。
人が集まると、その分アイディアも集まってくる。
「このモチーフ、こう使ったら面白いね!」など、いろんな発想でどんどん作品が生まれていきました。
展示イベントは、編み物好き以外も楽しめるように工夫
2021年5月29日、30日、雲南市木次町のみんなのお家にて展示イベントを開催。
たまたた訪れた編み物になじみがない人でも楽しめるように、カフェや生演奏、野菜の青空市などを企画。
青空市は、福祉施設の利用者さんの育てた野菜を販売したり、カフェメニューは就業支援施設の方が作ったクッキー販売をしたりと、展示イベントを活動の場に利用していただきました。
展示を見に来てくださった方は、二日間で100人以上!
イベント開催後にもご来場してくださった方を含めると約150名。ありがとうございました!
展示イベント終了後は、出張展示も開催
地域と密なつながりを実践している三刀屋郵便局さんでも作品を展示させていただきました。
各種SNS
Faccebookページ、「編みテロ!in 島根―ニットで編み飾るヤーンボミング企画」というページも更新中!
気軽にフォローしていただけると嬉しいです。
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インスタグラムアカウントも作成しました!
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お問い合わせ
このイベントに関するご質問やご依頼などは、件名を「編みテロについて」としていただき、tokimeku.knit.life@gmail.com (シゲノ)までお願いいたします。
主催:滋野紗世子(日本手芸普及協会 かぎ針・棒針講師)